28 Jun 2015
先日、アメリカの食品医薬品局(FDA)が、安全ではないということで、
マーガリンやショートニングなどに含まれる「トランス脂肪酸」の使用を
2018年以降全廃することを発表しましたね。
トランス脂肪酸だけでなく、脂肪、油というのは、カロリーが高くダイエットの邪魔になったり、
生活習慣病の引き金になるので、あまり摂らないようにするほうが良いというイメージがあります。
実際50歳前後になると、今までと同じ食生活でも痩せにくくなったり、
更年期以降閉経後は、女性はコレステロール値がそれまでよりも高くなり易いです。
私も40代のときは健康診断でひっかかったことなど1度もなかったのに、
50歳を迎えたあたりからコレステロール値が規定値より高いといわれるようになりました。
でも、炭水化物・たんぱく質・脂質と、三大栄養素の一つにあげられるくらいなので
大切な栄養であることには違いありません。
では、どんな油なら摂ってよくて、どんな油は避けるべきなのか調べてみました。
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脂質の重要性
■脂質の働き
まずは、脂肪(脂質)の働きについてきちんと知っているでしょうか。
私はメタボリックシンドロームやダイエットのイメージから
なんとなく「脂肪=体に悪い」という印象をもっていました。
でも三大栄養素のひとつといわれるくらいなので、本来は体になくてはならない栄養で
重要な働きもしているはずです。
脂肪って体の中でどんな働きをしているのでしょうか。
・エネルギー源として重要な働きをする
・身体の体温を保つ
・脳や目の網膜の働きを正常に機能させる
・ビタミンA・D・Eなどの脂溶性ビタミン吸収力を高めて体内で効率よく働く
・代謝や血圧、筋肉の働きをコントロールする
・肌や骨・細胞を保護する
などがあります。
脂質は、1gで9kcalのエネルギーが得られる効率のいいエネルギー源になります。
■脂質の必要量
日本人の食事摂取基準(2015年版)によると、推定のエネルギー必要量は50代女性で
1.身体活動レベル(低い):1,650kcal/日
2.身体活動レベル(普通):1,900kcal/日
3.身体活動レベル(高い):2,200kcal/日
となっています。
そして、厚生労働省がすすめる50代女性の脂肪の摂取基準の目標量は、
総エネルギーの中で脂質が占める割合が20~30%というもの。
真ん中の25%で計算してみると、
脂質量(g)=目標摂取エネルギー×25(%)÷9(脂質は1gで9kcal)となります。
身体活動レベルが普通の50代女性の場合、1日あたりの目標量は52.7gということになりますね。
積極的に摂ったほうがいい油
脂肪の働きが分かりましたが、脂肪であればどんなものでも摂っていいかといえば
そうではありません。
では、摂った方がいい脂質とはどんな種類があるんでしょう。
脂肪には大きく分けて
・飽和脂肪酸
・不飽和脂肪酸
の2種類があります。
積極的に摂るとよいのは「不飽和脂肪酸」です。
■不飽和脂肪酸とは
不飽和脂肪酸は、常温で固まらない脂肪酸です。
魚や植物に含まれる油が多いですね。
不飽和脂肪酸は多価不飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸に分けられます。
・多価不飽和脂肪酸
リノール酸(n-6系) ⇒ 血中コレステロールや血圧を下げる働き
αリノレン酸(n-3系) ⇒ 脂肪になりにくい油の優等生、EPAやDHAを体内で合成
EPA(n-3系) ⇒ 中性脂肪やコレステロールを減らし、血圧を下げる働きがある
DHA(n-3系) ⇒ 脳にとって大切な脂肪酸で、認知症改善に効果的といわれる
・一価不飽和脂肪酸
オレイン酸 ⇒ 血中コレステロールを下げる
特に、リノール酸やαリノレン酸は体内でつくることができない必須脂肪酸といわれるもので、
必ず食品から摂ることが必要となります。
■不飽和脂肪酸を多く含む食品
αリノレン酸:しそ油、えごま油
EPA:さんま・いわし・サバなどの青魚
DHA:かつお、まぐろ、うなぎ、さんま
オレイン酸:オリーブオイル、菜種油、ナッツ類
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摂りすぎに気をつけた方がいい油
■飽和脂肪酸とは
摂りすぎに注意した方がいい油が「飽和脂肪酸」で、常温で固まるタイプの脂肪酸です。
この飽和脂肪酸をたくさん摂りすぎると、悪玉コレステロールや中性脂肪が増えたりするので
メタボや生活習慣病のリスクが高まるといわれています。
■飽和脂肪酸を多く含む食品
トランス脂肪酸とは
アメリカで3年以内に禁止することを発表したトランス脂肪酸は、どのようなものでしょうか。
■トランス脂肪酸とは
トランス脂肪酸は、牛肉や乳製品などに含まれる天然のものもあります。
今回アメリカで規制の対象となるのは、天然のものではなく、人工的に作られるもので、
常温で液体の油から半固体もしくは個体の油脂を加工する際にできるものです。
悪玉コレステロールを増やしたり、善玉コレステロールを減らしてしまうなど、
摂りすぎると身体に悪い影響があります。
・心臓病のリスクを高める
・アレルギー疾患を増やす
・肥満になりやすい
・子宮内膜症など婦人科系のトラブルになりやすい
などが考えられます。
■トランス脂肪酸を多く含む食品
トランス脂肪酸は特に下記の食品にたくさん含まれています。
クロワッサン・スポンジケーキ・菓子パイ
ポテトチップスなどスナック菓子
フライドポテト・フライドチキン
コーヒー用クリーム・生クリーム
マヨネーズ
カレールウ・ハヤシルウ
インスタントラーメン
など
でも、農林水産省のサイトによると、日本では平均的なトランス脂肪酸の摂取量が0.92~0.96gと
WHOによる1日の目標値2g未満を下回っているということで、特にアメリカのような規制はないようです。
とはいえ、食品100グラム当たりで1g以上トランス脂肪酸が含まれているものもたくさんあります。
自分自身で気をつけるしかないということなんですね。
おわりに
以上、少し難しい書き方になりましたが、脂肪の中にも摂る方がいいものもありますし、
積極的には摂らない方がいい飽和脂肪酸もないと困る栄養素です。
また、脂質は身体の中で一番活性酸素のダメージを受けやすい、酸化しやすい部分なんです。
ですから、老化を防ぐうえでは、脂質の酸化をどう抑えられるかも重要なポイントです。
私もフライドポテトやスナック菓子は、TVを見ながらなどだとついつい食べ過ぎてしまいます。
新鮮な油を使うことを心がけたり、油を使った市販のお惣菜で時間が経ったものを減らしたり、
スナック菓子は小袋のものにするなど控えめにする工夫が必要ですね。
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